天気が悪くなると体調も悪くなる…その原因って?
当院の患者さんから
「雨が降る前に頭痛がするのはなぜ?」
「なぜ天気が悪い日になると関節が痛くなるの?」
というご質問をいただきました。
また、天気や気温の変化に伴い体調を崩す方がいらっしゃいましたので、原因と対処法をまとめました。
思い当たる方は最後まで読んでいただけますと、お力添えになれるかと思います。
気象の変化によって起こる「天気痛」
天気痛とはその方がもともともっていた症状が天気に影響されて現れたり悪化したりすることをいいます。
症状としては頭痛、神経痛、めまい、肩こり、腰痛、耳の症状、気分の落ち込み、不安症など多岐にわたります。
天気痛は耳の奥にある気圧センサーが過剰反応することでおこるとされています。
過剰反応の原因はまだ分かっていませんが、それによって自律神経のバランスが乱れて様々な不調を引き起こすことが、近年の研究から分かってきました。
天気痛の症状と原因は?
気圧の変化を耳にある気圧センサーが感知すると、自律神経と呼ばれる部分が刺激され体が天気の変化に対応しようとします。ところが、センサーが敏感に反応しすぎたり、自律神経のバランスがうまく取れなかったりすると、天気痛が起こりやすくなってしまうのです。
天気痛の予防法について
耳のまわりの血行が悪くなると、センサーがむくんで過敏になり、天気痛を起こしやすくなります。そのため、天気痛が起こりそうな時は、耳の血行をよくすることが、効果的な予防法となります。
方法としては耳まわりの温めやマッサージが効果的。また耳の後ろあたりにホットタオルや温かいペットボトルを当てることをおススメします。
生活での注意点
天気痛が起こりやすい人は、気圧の変化だけでも症状が現れやすく、新幹線や飛行機での移動時やエレベーターの昇降時にも天気痛の症状が現れることがあります。
また乗り物で不調が起きやすい人は、乗る前に耳のマッサージをしたり、市販の酔い止め薬を服用したりして気圧の変化に備えましょう。
体質的に天気痛になりやすい人は、気象のストレスに負けないよう自律神経を整えていくことが大切です。そのためには、日中はアクティブに、夜はリラックスして過ごすメリハリのある生活を心がけましょう。
具体的には、
① 朝起きたら太陽の光を浴びる
②日中にウォーキングなどの運動をする
③ぬるめの湯で入浴する
④起床と就寝の時間を一定にして睡眠をとる
などが、自律神経を整える生活習慣となります。
天気痛対策としてもう1つ大切なのは、もともともっている病気や不調を治すこと。
天気から受ける影響を減らすと不安要素が減り、もともとの不調も治療しやすくなります。
セルフマッサージの方法
耳を守り、耳周囲をほぐすマッサージをご紹介します。
「耳マッサージ」
① 両耳をつまんで、上・横・下に各5秒ずつひっぱる
② 耳をひっぱりながら5秒間くるくる回す
③ 耳の上と耳たぶをくっつけるようにふたつに折り畳んで5秒間キープ
④ 手のひらで耳全体を覆い5秒間くるくる回す
耳と耳の周りをもみほぐすことで、耳の周りや耳内部の血行がよくなります。またリンパ液の流れも改善されることで天気痛を予防します。
症状が出る前だけでなく、毎日朝・昼・夜の計3回行うのがお勧めです。 まずは2週間から1カ月程度続けてみてください。
耳マッサージのコツ&注意点
5秒という時間にとらわれず、しっかり動かしましょう。
耳の先端ではなく内側からしっかりつかみ、耳のつけ根の軟骨に刺激が入るように。
肩こりをお持ちの方は耳たぶに近い下の方を。
背中がつらい人は耳の中央付近の高さを中心に、軟骨を指でもみほぐすようなイメージで軽く揉んでみましょう。
最後に
ご自身のお体が不調の場合、もしかしたら天気痛を引き起こすかもしれません。
予防のために重要なことはもともと持っている不調を改善することです。
お体に何か不調を感じたり、お悩みやお困り事がございましたらお気軽にご相談ください。